都会の中の大自然=東北大学植物園に行こう!

タウン誌「仙台っこ」タイアップ”仙台再発見シリーズ”No.11
=市内書店で6月1日発売。

ごく身近にある “本物の自然 ”を、私たちは見過ごしてはいないでしょうか。
東北大学植物園は世界にも例のない大都会の中の貴重な自然林なのです。(MAK)


■利用者はなんと一日五十人


無料駐車場もある植物園本館入り口

仙台市の観光スポット、青葉城天主台跡に向かう道路のすぐ近くに東北大学植物園の入り口(本館口)があることはよく知られています。でも、その割に利用者は本当に少ないのです。 
平成20年の一般有料入園者数は大人10,262人、小人631人の合計約1万1千人ですから、毎年春分の日(3月21日)から11月30日までの開園日220日でこの数を割ると、一日平均は50人程度です。近くにバス停もあり、入園料も大人220円、小人110円という低料金なのに、一体なぜなのでしょうか。
ちなみに同日数開園の「仙台市野草園」(大人200円)の入園数は平成20年で4万1千人、一日平均186人ですから、植物園の利用者はその三分の一にも満たないのです。



広大な青葉山の自然林には6っのタイプの森があります。


■世界にも例がない大都会の中の自然林

もちろん仙台市にはほかにも広大な「台原森林公園」や「青葉の森」などがあって比較的緑に恵まれた都市環境なのですが、このなかで東北大学植物園だけがもつ特別の大きな価値があまり認識されていないのは残念です。
この植物園は昭和33年(1958年)大学理学部の附属施設となり、翌年からすぐに市民の憩いと自然観察の場として公開されてきています。
最大の特色は十七世紀伊達政宗公の仙台城築城以来、ほとんど手付かずで保たれてきた自然林(総面積の80%四十万平方メートルが天然記念物指定地域)であるということです。この一帯はお城の “御裏林 ”として防衛、水利の面から立ち入りが厳しく規制され、明治以後に陸軍第2師団、終戦後に進駐米軍の用地となった時期もあまり手を加えられず保全されたために、大都市の中のこれだけ自然度の高い森林は世界にも例がないといわれているのです。


■カモシカやムササビもいます

中間温帯林に属するこの林の中心樹種はモミとイヌブナですが、その他無数の野生植物に加えて園内の一部にはセンダイヨシノ、ミヤギノハギ、ミズバショウなどの植栽植物も植えられています。
また、全域が鳥獣保護区になっているので哺乳類ではカモシカやリス、ムササビ、鳥類ではオオタカ、アオバズク、オオルリ、両生類のニホンイモリ、昆虫類のアオスジアゲハ、オニヤンマといった、いまではめったに見ることのできない貴重な生物も棲息しているといわれています。


■「これは山だろうがッ」!

つまりここは「植物園」という言葉の持つイメージより遥かに自然そのものなのです。そのため軽い気持ちで立ち寄った人たちは、突然山地に入り込む状況になってビックリしてしまうことも多いようです。
かって大学に籍を置いた劇作家の内館牧子さんも入園してみて「これは山だろうがッ」と驚いた様子を書かれていますが、園内の高低差だけでも90メートルあまりある自然林に入っていくのですからそれなりの気構えはやはり必要なのでしょうね。


■見学ガイドを読んでみましょう

そうした初心者のために東北大学出版会は見学ガイド「植物園に行こう」(定価税込千円)を発行しています。
そこには、時間を決めて効率よく見学する最短10分からの見学コースや、目的別にポイントを絞ってしっかりと園内を歩く最長90分のモデルコース、春夏秋冬に咲く花や動植物のこと、また南側の出口付近には子ども連れでも楽しめる芝生広場の見晴台があり、かって仙台城が出来る前に街道の一部が通っていたとされる場所には鎌倉時代に立てられた「蒙古の碑」など興味深い幾つかの旧跡も残されていることなどが詳しく紹介されています。



お子様連れでくつろぐこともできる見晴台の芝生広場


6月に花開く「ギンリョウソウ」は幽霊茸の異名もある珍しい植物です。


「キキョウ」は7月に咲きますが、いまや里山から姿を消している絶滅危惧種の一つです。

■見て、触れて、考えてください

植物園長の鈴木三男教授

園長の東北大学生物科学研究科鈴木三男教授は、ガイドブックのなかで「青葉山の森という、地球人類みんなの “財産 ”を預かっていると思っています。」「市民の皆さんに四季折々の自然を楽しんでもらうとともに、環境保全、生物多様性保護、地球温暖化などについて、見て、触れて、考える場として活用していただきたい。」(中略)と、一般公開の意義を述べておられます。
大切に護られてきた “本物の自然 ”がすぐ目の前にあるー。この幸せを私たちは改めてかみ締めてみる必要があるのかも知れません。深緑鮮やかなこれからの季節に、ハイキングのつもりで入園してそのありがた味をぜひ再発見してみてください。


■東北大学学術資源公開センター植物園
〒980-0862 仙台市青葉区川内12-2
TEL 795-6760 FAX 795-6766
バス停<本館入り口>東北大川内キャンパス下車、徒歩10分。
    <青葉山植物園ゲート>植物園ゲート前下車、徒歩1分。
「るーぷる仙台・観光バス」青葉山植物園ゲート前下車、徒歩1分。
植物園ホームページ


2010年05月30日 12:40 | パーマリンク |TOPページへ   ▲上へ

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コメント (11)

こんばんは~♪
東北大の植物園は一般公開されていたのですね。知らなかったです。
大都会の中の貴重な自然林を、
お是非見に行きたいとおもっています。
教えて頂き有難うございましたm(__)m

Posted by: ミモザ | 2010年06月13日 20:44

菅原:

仙台は暮らしやすい町ですが、私たちが気付かないでいる立派な施設がまだたくさんあるのだと改めて感じました。
いずれ農学部も青葉山に移ると聞いていますが、あの山一体が仙台市のシンボル・ゾーンのようになるのでしょうか。

Posted by: 菅原 | 2010年06月06日 16:57

DON:

カモシカはゴルフ場などでも見かけることがあるが、ムササビとは懐かしいね。本当にいるのかな。
仙台城の築城いらい保全されてきたというのは、奇跡に等しい。なぜ二師団や駐留軍が手をつけなかったのか・・・。
近代都市のど真ん中に天然記念物指定の自然林があるなんて世界に例がないのはうなづけるが、なぜ仙台市民に存在感がないのだろう。

Posted by: DON | 2010年06月04日 19:12

豊子:

これからの季節、山歩きは楽しいです。
身近に素晴らしい自然があったとは、ついぞ気付きませんでした。
東北大学植物園があまり話題にのぼらないのは不思議ですね。
オニヤンマなんて何十年も見かけたことがありません。もし出会えたら嬉しいと思います。

Posted by: 豊子 | 2010年06月04日 10:59

nana:

東北大学の植物園って学者さんたちの研究施設とばかり思っていました。
誰でも気軽に入園できるのなら、仙台市民がもっともっと活発に利用すべきだと思います。私ばかりでなくシキイが高いと敬遠している人が多いのではないでしょうか。
大学も折角公開しているのだから、市民にもっとPRすることを考えて欲しいですね。

Posted by: nana | 2010年06月03日 17:28

巴流:

鳩山首相はついに退陣されましたが、地球温暖化への関心は
国民の総てが抱いていなければならないことだと思います。
緑の資産を大切にする心を子供のうちから植えつけていく
ためにも、もっと学校の課外授業などで積極的に東北大学植
物園を活用することを心がけて欲しいと思います。

Posted by: 巴流 | 2010年06月02日 20:06

Y.U:

大学の植物園は本当に入場者が少ないですね。
市民の方々にその価値が知られていないのは残念だと思います。
正面入り口から入ると初めての人は少し戸惑うと思いますが、
青葉山植物園ゲートからだと割合親しみやすいと思います。
バス停からすぐですからお天気のいい日にはぜひご家族連れ
で訪ねてみてください。
子供たちが本物の自然に触れるよい機会だと思います。

Posted by: Y.U | 2010年06月02日 13:22

陽一:

ムササビはともかくとして、アオスジアゲハやオニヤンマに出会えるのは嬉しいですね。もちろん相当通わなければならないでしょうが・・・。
身近に素晴らしい自然があるのをすっかり忘れていました。

Posted by: 陽一 | 2010年06月01日 15:52

緑子:

お恥ずかしいですが、東北大学植物園が一般公開とは知りませんでした。
市の中心部に天然記念物指定の広大な自然林が残されているなんて、本当にビックリしました。
植物園というとお花畑や薬草園などのイメージですが、まったく違うスケールの大きなものなんですね。
単に出かけてみるだけでなく、市民の宝としてみんなで大切にしていきたいと思います。

Posted by: 緑子 | 2010年06月01日 10:30

Y.S:

シリーズno11拝見、お元気でなによりです。
東北大植物園は盲点でしたね。世界的な立派な価値ある施設を
仙台市民が見過ごしているのは問題です。
学校の施設だからPRも出来ないのでしょう。
今回の”再発見”は特に良かったと思います。

Posted by: Y.S | 2010年05月31日 17:24

健児:

そいいえば東北大学の植物園が天主台の近くにあるのは知っていましたが、そんな貴重な森林遺産とは思ってもみませんでした。
なんとなく、あまり関心がないというか・・。みんな学校の研究施設の一つだろうという程度の認識じゃないですか。
一度足ごしらえをして行ってみる必要がありますね。

Posted by: 健児 | 2010年05月31日 14:32

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